「町かどの藝能」の稽古をしています


毎日暑い日が続いています。今年は例年とは比べられない程の暑さを感じ、これも温暖化が進んで来ているからだろうかと不安を抱きます。

有難い事にここ般若林は緑の木立と土にかこまれていますから、よく風が通ります。建物の中に一歩入ると、ひんやりとした冷気がほてった身体を冷やしてくれます。

今から三十年くらい前 ―― おさだ塾が般若林へ移って来た頃は、
にぎやかなほどの蝉時雨で、真夏を満喫出来ましたが、どういうわけか近頃は蝉の鳴き声を耳にする事が少なくなりました。

四、五日前でしたが久しぶりに蜩の声を聞きました。ほんとうに久しぶりで、とても懐かしく思いました。ところが美しいものと思っていた蜩の声が、美しくないのです。透き通る高い声ではなく、ザラザラした雑音がまじった悪声でした。「蜩も大気汚染の影響を受けているのかな」と話していましたら、北海道の音威子府から出て来ている塾生が、北海道の蝉は高低をつけて歌うように鳴いていると話してくれました。蝉も土地によって、声も鳴き方もちがうのかと初めて知りました。

只今おさだ塾は十月十四日、十五日、十六日公演の『町かどの藝能』その(四十二)の稽古に励んで居ります。
今年は「蛇の目うり」「ひさご売り」を、今までのものとは別に新しく御覧いただきたいと考えて、稽古しています。
又、「鳥笛うり」のお話しは毎年新しくなりますし、「大福引き」の口上などもたのしくなります。
般若林が涼しいとはいっても、稽古に打ち込めばびっしょり汗が出ます。あと、一ヶ月くらいは汗を流し乍ら『町かどの藝能』の稽古に打ち込んでまいります。

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