『 いつか、きっと 』


発表会の日が近づいて来ました。今も二階の稽古場から日舞の稽古の足音が聞こえて来ます。
なかなか打ち込んでのお稽古が出来ない中で、先輩の花柳美優さんが真剱に指導してくれています。
元来、けっこう自己顕示欲の強い人たちですから、日舞のお稽古はたのしそうです。勿論、名人といわれる方々は別ですが、初心者も初心者、しかも俳優修業の中の一部としか思っていない(?)人たちですから、けっこうたのしそうです。
人にはいろんなタイプがありますが、うちの中だけでもいろいろな人が居ます。自己顕示欲は当然皆、持っているのでしょうが、その表れ方がそれぞれ違っていて、その人の性格がよくわかります。陽性の人、陰性の人、一寸気取り屋の人、とりどりです。
かつて、「歌手」といわれる人たちは、「お客様は自分だけを見ていてくれる(聞いていてくれる)」という、言葉に表せない喜びを感じるそうで、一度経験するともう止められないと聞きました。勿論、全ての人とはいえないかも知れませんが、歌手を目指している何人もの人が、そのようにいっていました。
成功して今も活躍している人、どこかに消えてしまった人 ―― でもその人たちもどこかで歌っているのかも知れません。
どんな仕事であれ、生き方であれ、自分で納得して打ち込めれば、それは素敵な人生です。目的を持って、希望を持っている人は、どんな時でもキラッと輝くものを持っています。うちの人たちも今は苦しくともいつかは ―― と思っているのでしょう、貧乏ぐらしでも皆、明るい顔をしています。人さまに迷惑をかけることなく、自分の好きな道を歩み続けられるのは最高に幸せな人生です。
一寸の虫にも五分の魂 ―― その魂の萎えない事を祈ります。

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