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『立春』

立春 ―― 。
素敵な響きです。
そう聞いただけで気分が明るくなります。
気候は未だ未だ去ったり来たりをくり返すでしょうが、でもすぐそこに春が来ているのです。

そんな自然の明るさに反して、塾には今、少し、ピリピリした空気が漂っています。
春の「小さな劇場」の台本の上がりが遅かったところへ、又とてもむづかしい(うちの人たちには)内容なのです。
題名は「おいたち」。お話そのものは易しいのですが、生活レベルがいささか違う人たちの人生です。
それを埋めるだけでも大変ですのに、そこへもって来て有難い「町かどの藝能」のお仕事が重なり、とに角、時間がもっともっと欲しい状態に焦立っています。
最もそれは指導陣だけで、俳優たちは案外「なるようになる」と思っているかも知れません。というと、「そんなことありません」と目に角を立てるでしょうが ―― 。

十一日には草藁生活行もあり、とに角、一分でも一秒でも、先に時間が延びてほしい思いです。

そんな時だけに、まわりの自然に一寸目を向けてみると ――

椿も水仙も咲いています。
桜の枝には春に向かって、新しい小さな芽がしっかりと太陽に向かっています。
去年の暮れにいただいた縁起ものの鉢植の紅梅は、今まさに満開、松の緑も生き生きと、笹に似た植栽の葉下には、赤い実がのぞいています。
驚いたことに梅雨に咲く紫陽花にも、新しい芽吹きがみられました。

私たちが気づかなくても、自然は立派に自分たちの生命を生きています。
目先のことばかりに追われている自分たちの小ささ ―― 。

しばらくぶりに、心が深呼吸してくれました。

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『草藁生活行』

例年より遅い初雪に、冬枯れの庭木もちょっと寒そうな風情です。

二月十一日の建国記念日は、おさだ塾にとってとても大切な年中行事の一つ、「草藁生活行」があります。但し、建国記念日だからではなく、年間で一番寒さが厳しい時期だからです。
この行事は、四十年以上も前から一度も欠かすことなく続いています。最初の頃はマラソン大会で、上賀茂神社から奥貴船までの街道を走りました。でも「町かどの藝能」を始めてからは草鞋履きで歩くことに切り換えました。
この日、おさだ塾の俳優たちは「町かどの藝能」に生きる芸商人として、「お命」を預かった役の人物と二人連れで歩きます。IMG_0980
風のつめたさや、雲間から覗く陽のわずかな温もり、路傍の草木のたくましい生命力を感じ乍ら ―― 、時には江戸時代の芸商人たちが、自然とどう向き合ってくらしていたのだろうかと思いを馳せながら ――。
昔の人の、そして芸商人たちのくらしに少しでも触れる体現をしながら歩くのです。

歩き終わった後、料理旅館「ひろ文」さんの温かいお風呂で汗と埃を流し、それから一人一人、昨年一年間の反省と今年の目標や抱負を発表して、一年の精進を誓います。
ですからこの日は、ある意味おさだ塾の正月元旦ともいえましょう。その後、美味しいお料理をいただき楽しいひと時を過ごします。
この席には、夢素美会(おさだ塾の友の会)の方や、いつもたすけて下さる方々もご出席くださり、その方々に何か勉強したこと(お話やエチュードなど)を発表し、たのしんでいただきます。

これからも塾の在る限り続けてまいります。
皆様にも御参加いただけるとより嬉しいのですが ―― 。
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『嬉しいこと』

漸く冬将軍の到来でいつもの冬らしい気候になりました。

毎年、塾友の樋上さんが、その年の干支十二支の絵を色紙に画いて届けて下さいます。IMG_0964
今年も素晴らしい猿の姿を描いて届けて下さいました。年末の忙しい時にもかかわらず、いつも大晦日に必ず届けて下さいます。それも、数十年欠かすことなく続けてくださっています。本当に有難いことと感謝しております。

又、先日、ちょっと嬉しいことが有りました。
それは、華頂短期大学付属幼稚園の教頭先生からの「町かどの藝能」の公演依頼です。
先生は十年以上前に、秋の「町かどの藝能」の公演を御覧くださり、いつか機会があれば園児達にも見せてあげたいと、ずっと企画を温めて下さっていたとの事でした。
本当に有難く嬉しい事です。
二月六日に幼稚園での公演が決定しました。先生のお心にお応え出来るように、また園の子供さん達にも喜んで楽しんでもらえる公演にしたいと思っています。

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平成二十八丙申歳 正月

あけまして
おめでとうございます

平成二十八丙申歳 正月

申という字には「伸びる」の意味があるとのこと、一同ますますより上をめざして努力致します。
何卒よろしく御指導、御鞭撻たまわりますように。
あたたかな新春ではございますが、どうぞお健やかにお過ごし下さいませ。

春の小さな劇場は三月二十五日(金)・二十六日(土)・二十七日(日)の三日間、公演を持ちます。内容などはあらためておしらせいたします。
御一人でも多くの方々のお越しをお待ち致して居ります。

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『小さな発表会の御礼』

十二月十九日の「小さな発表会」、なんとか無事終わりました。
いつもおこし下さる方や初めての方、どなたも好意的に見て下さる方ばかりで、本当に有難いことでした。
心より御礼申し上げます。
「仕事に大小は有っても軽重は無い」というのが長田先生の教えでした。それにしては準備期間も稽古のふみ込みも本当に少なく、心苦しい事の多い発表会でした。でも俳優たちは皆清々しい顔で、出来はどうあれ、「やった」事の喜びを感じているようでした。それもうちの俳優の特性でしょうか。

般若林の庭の梢も大分淋しくなりました。ただ今年は紅葉が遅く、散りおくれた枯葉がかなりのこっています。いつもは美しい彩のじゅうたんになる落葉ですが、今年は赤茶けた枯れた葉っぱが散らばっています。
山茶花もあらかた花を無くしました。
代わって椿が、赤い花や白、淡紅の可愛い花を沢山つけています。
千両もしっかり赤い実をつけてがんばっています。楓やカリンの落葉で淋しくなったと思っていた般若林の庭ですが、見廻せば又、次の季節の花が咲いてくれています。間もなく来る冷い冬も楽しく過ごせそうで、恵まれた自然の有難さをしみじみかみしめています。

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『稽古発表会』

『事始め』もすみ、京都の町も新年を迎える支度にとりかかり始め、歳の瀬が感じられる今日此頃です。 おさだ塾は只今、年末恒例の「小さな発表会」の稽古の追い込みに入っています。併し、稽古期間中 半ばで、いつものような活気溢れる盛り上がりが感じられない状態が続きました。 原因は風邪です。塾生が次々と風邪をひき、稽古場は一時、開店休業の有様でした。全くお恥かしいことでした。 おさだ塾では、創立以来、風邪をひいたり、腹痛を起こしたり、又不注意で怪我をした場合「罰金」を払うことになっています。塾が決めた事ではなく、塾生たちが「健康管理が出来ていなかった」と己を戒めるために進んで始めた事なのです。 「罰金」は、自分が「痛い!」と思う精一杯高い金額でお菓子や果物を買って来るのです。 風邪をひいていない塾生たちは、先輩、後輩問わず、「本当なら溝へ投げ捨てたい処だが、食べてやろう」と口に入れます。 塾生たちの健康は回復して来ましたが「発表会」は皆様にお楽しみいただけますかどうか ―― 。塾生たちには精一杯力を発揮してほしいと念うばかりです。 発表会は来る十二月十九日(土)、午後三時より五時までおさだ塾の稽古場で行います。無料です。お問い合わせは 075-211-0138 です。是非お越し下さい。

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恒例の稽古発表会のお知らせ

恒例の稽古発表会のお知らせ
般若林の稽古場で、稽古の発表会を致します。
朗読・落語・絵本の読み聞かせ・民話の語り・創作短編劇等盛りだくさんでございます。
入場無料で、どなたでもお越しいただけます。
御近所の方、演劇に興味をお持ちの方、どんな稽古場か見てみようと思われる方
お待ちいたして居ります。

日時 12月 19日(土)
午後3時~5時

場所 おさだ塾 稽古場 二階
住所 ホームページの地図をご覧ください

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『師走になって』

十二月に入って何となく薄ら寒い日が続いています。でも又少しするとあたたかい日が有るとか、あまり気温に神経を立てない方がいいようです。

十一月二十八日のプレ「京ことばをたのしもう」講座、お蔭さまで無事終わりました。
沢山の方が、それも「新しい方が来て下さった」と四条センターの方に喜んでいただきました。いつも乍ら皆さんいい受講生ばかり、とてもあたたかく、親近感をもって聞いて下さいました。
小さな「京ことばのドラマ」も、又KBSさんで放送して来た京ことばキャンペーンのCDも、とても喜んで下さり、五月からの講座ではもっと多く聞いて、見て、たのしんでいただこうと思っています。
「皆さん、いい顔をして帰って下さいました」とのセンターの方の言葉は、何よりもうれしく有難いことでした。
京ことばに悪戦苦闘した塾生たちも、ほっとした顔で、中には「今度ほどくり返して稽古したことはなかった」などと、俳優らしからぬ感想をいう人もいました。
私たちの仕事は人さまに喜んでいただくこと、一つおえるごとに幸せを感じます。
今は十九日の発表会に向けて、いろいろと考え、行動していることと思いますが ―― 顔を見ているとけっこうのんびりしているので、こちらの方がいささか不安です。

般若林の庭も少し淋しくなりました。
萩は葉を落として、細い長い枝だけになっています。以前は見事だった銀杏も、数年前にすっかり枝を伐られてからは、小さく目立たなくなってしまいました。
山茶花は、赤や淡紅の花は咲きましたが、白い花が今年は咲いてくれませんでした。少し心配です。楓の紅葉は木によって、日当りによってでしょうか、美しく紅葉している木もあれば、ほとんど変わっていない木もあります。
夏の間、他の木の下の土は乾いていても、いつもそこだけは黒くしめっていたろうばいの木も少し元気がありません。甲賀市様からいただいた大切な木ですので、斉藤さんがいつもこまめに水をやっていてくれたのですが ―― 。
今、一番元気なのは南天でしょうか。赤い実をしっかりつけています。以前はヒヨがよく食べに来て、「全部は食べないで」と思ったほどですのに、近頃はどうしたわけかやって来ません。これもいささか心配です。
間もなく冬枯れの季節になりますが、又その頃にはそれなりの般若林便りを差し上げましょう。
年末を控えて、いろいろとあわただしくすごされるでしょうが、どうぞお元気で ―― 。

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『このごろ』2

般若林の庭が色づきはじめました。DSC_0588
萩も黄色くなった葉をふさふさと延ばしています。
大きなカリンの木も黄葉し、時折り大きな黄色い実を落とします。うっかり木の下に車を置いているとボコンと屋根がへこみます。木の下に幾つか黄色い実がころがっています。とても香りがよく、ホワイト・リカーにつけると、喉にもよい美味しいカリン酒が出来ます。今は忙しいのと、とても実が固いので、作れずにいます。よろしければ塾へ来られてお持ち帰り下さったら、カリンの為にも嬉しいのですが ―― 。
山茶花も紅い花を沢山つけています。又、玄関脇の千両が、例年になく美しい赤い実をいっぱいつけています。白い小菊も咲いて、般若林はとても素敵なところです。
気候のせいか、楓の紅葉は未だですが、そのうちにあざやかに染め上がるでしょう。
種々と多忙な日々も、自然に一寸目をやるだけで、ほっと心が安らぎます。
十一月二十八まであとしばらく。ラスト・スパートの日々です。

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『このごろ』

日に日に秋も深まり、紅葉の便りもあちこちから届きはじめました。北の国では初雪、初冠雪の季節です。
般若林の庭の紅葉は未だ少し先、そのうちに赤・黄・朱・茶・樺、さまざまな色彩に染まります。干し柿
とはいえ、シデの紅葉はすでに始まっていますが ―― 。
そうそ、それに塾生の出入りする西入口の軒先に、渋い赤茶色の干し柿が吊り下げられています。裏庭の柿の木の恵みです。
以前にも何度か干し柿を作ろうとしたのですが、その都度ヒヨやカラスに食べられて、塾生たちの口には入りませんでした。鳥たちはとても利口で、実のなるものはいつも一番いい食べ頃に、ちゃんとついばんで食べてしまいます。「明日、丁度食べられると思っていたのに ―― 」と、いつも塾生たちがくやしがっていました。干し柿も例にもれず、いつも早々に食べられてしまいます。それでしばらくは止めていたのですが、何と思ってか、今年又、作りはじめたのです。そんな干し柿なのですが、今のところ大丈夫なようです。干す場所を南側から西側に変えたからでしょうか、鳥たちに見つかることもなく、柿たちは毎日のん気な顔でぶら下がっています。塾生の口に入る日も近いでしょう。

ところで塾生の多くは今、十一月二十八日の「京ことば講座」での京ことばのドラマに悪戦苦闘、首を上下にふったり、横にふったり、まるで人形芝居のようで見ているとおかしくなります。でもそのうちに言葉が身につくと徐々に人物の心をとらえて行きます。さしずめ今は過渡期でしょうか。
又、例年のクリスマス近くの「小さな発表会」、日どりが決まりました。
「十二月十九日(土)午後三時から五時まで」の予定です。
自分たちでやる中味を決め、自分たちだけで稽古をし、ごく近しい方々に見ていただく小さな小さな発表会です。大きな顔をして「おこし下さい」とはいえない未熟な発表会ですが、もしよろしければおこし下さい。

いつも自然に恵まれた般若林ですが、今はあまりそれを楽しむ余裕は無さそうです。でも本当はどんな時でも、いえ、そんな時ほど、自然に目を向ける心のゆとりがほしいのですが ―― 。
お忙しい皆さま方も、時には空の青さに、又澄んだ夜空に浮かぶお月さまの光に、心をお寄せになってみては如何でしょう。

 

 

 

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イラストレーターの谷本聡美様からこんな可愛いい絵葉書を戴きました。
「心からの感謝を込めて」の一文を添えられて ―― 。

挿絵

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