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荒々しいお天気

梅雨の晴れ間という言葉がありますが、今年の梅雨は本当に「楽」といっていいのかどうか、長く降り続くということがありません。もっともそれは自分の身近な地域に限ってのことで、九州や関東、東北の方々は酷い風雨に苦しんで居られます。どうしてこんな荒々しい気候になったのか、人間の心の荒みがそのままお天気に写されているのでしょうか。長く四季のうつろいを愛でて来た日本人にとって、本当に辛く、哀しく、「何に対して」とはいえないのですが、申訳なさのような思いに駆られます。昔の人が、天災は全て人の招くところと思われた心が、少しはわかるような気がします。おだやかな四季が一刻も早く、戻って来てくれることを念う心でいっぱいです。

さて、間もなく暑い夏が来ます。お陰様で般若林は、夏でもクーラーいらずの素晴らしいところです。それでも二階の稽古場は、南も北も一面ガラス窓、一階の涼しさがウソのような熱風にさらされます。
「町かどの藝能」の稽古には理想的(?)な自然の空気につつまれて、皆、汗を流すことになります。今は未だ何といっても梅雨の中、「この涼しい間に」―― と、時間を作っては稽古に打ち込んでいます。

「絵本の読み聞かせ」講座も少しずつ、どんな相手にどんな気持で話すのか、その為の抑揚や間、強弱など、専門的なことが増えて来ます。受講生の方は皆、意欲的な方々ばかりなので、とても楽しく、又厳しい時間を持たせていただけます。
「教えることは自分が学ぶこと」と、皆、実感しています。
四条センターの皆さんに感謝感謝です。

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『 雨 』

去る六月三日に近畿地方もつゆ入りしたようで、予報通りの曇りや雨の日が多くなりました。これから一ヶ月程、湿度の高いじめじめしたむし暑い日が続くのではないかと思うと、気分も滅入りがちです。
けれど、雨も亦いいもので、しとしと降るやさしい雨を受けて、色鮮やかに咲き匂う紫陽花には、安らぎを覚えます。
般若林の紫陽花も咲き始めて、しばらくたのしませてもらえます。

「つゆ」は「梅雨」とも、又「黴雨」とも書かれていますが、どちらもこの時期のことを、上手くいいあらわしているなあと思います。
もう一つ、「栗花落」と書いて、「つゆり」とよみます。つゆいりの頃に栗の花が落ちて実を結びはじめるからだそうで、事実「栗花落(つゆり)さん」という苗字もあるそうです。

私どもが公演活動している『町かどの藝能』の「蛇の目売り」の唄に、「数え上げれば百八つ・・・・・」と、雨の名前が沢山出て来ます。春、夏、秋、冬それぞれの季節に降る雨、降りそそぐ様子や人のくらしと結びつく雨、雨、雨 ―― 。
雨だけではなく、日本の言葉には状態や、意味、情景などを、きめ細かく、美しく、豊かに表わしているものが五万とあります。日本語はほんとうに素晴らしく、奥が深いと胸を熱くします。

今、十月公演の『町かどの藝能』(四十一)の稽古に入っていますが、湿度の高い日は三味線、太鼓の稽古はひかえなければなりません。たたくと皮がのびてしまうので。
数ある演目の一つ一つをよりきめ細かく研き上げていかなければならないので、初心を大切にしながら、稽古を積み重ねています。

むし暑く、不快指数の高い日もあろうかと思います。大切な御身体です。水分を十分に補給しておいとい下さい。

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『燕』

今年も燕が帰って来ました。
南の国から長い旅路を、元気でよく帰ってきてくれたなとうれしくなります。
去年いた燕が同じ巣へもどって来るのはほんとうに驚きです。よくまあ憶えているものだと感心します。
今年はその巣の隣にも、一つ新しいのが出来ています。
二つの巣には四、五羽の雛が、親の持って帰ってくれる餌を今か今かと待っています。
親燕は帰って来ると、必ず巣の近くで宙返りをします。すると今まで静かだった雛たちが一斉に声をあげ、口をいっぱいに開けて餌をせがんでいます。親燕は片時も休まず、せっせと餌を運んで雛たちをはぐくんでいます。その様子は健気で、いとおしくなります。
三週間もすれば雛たちは成長して、巣立って行きます。親燕は立派につとめを果たすのですね。
燕の世界には「認知症」もなく、親の「子育て放棄」や「虐待」がないのだと、しみじみ思います。

日本列島は火山の爆発的噴火や、海中でのマグニチュード8.1の巨大地震で全国的に揺れています。
「何卒大きな災害が起こりませんように」と念じるばかりです。
『絵本の「読み聞かせ」をたのしもう』の講座は二回目をすませました。全員出席で、皆さん真剣にとり組んでられます。
いつも乍らこちらが教えられることも多く、感謝と共に責任の重さを感じています。

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「緑」ラッシュ。

楓のみどり、あじさいのみどり、かしの新芽、いちょうのみどり、それについこの間まで、何もなかった宮城野の萩が、今はふさふさとみどりの若葉を風になびかせています。皐月の花のあとのみどり葉、さくらの青葉、数え切れないみどりにあふれています。
相国寺様の境内もみどりがいっぱい、雨の前などは息もつまりそうな強烈な匂いに思わず梢を見上げてしまいます。いつも見ているみどりが、それぞれに、強い個性を放って、「同じみどりは無い」という言葉をあらためて思い返しました。
あじさいは間もなく花を開くでしょう。

又、相国寺様の池の端に、大きな蓮の鉢が並ぶようになりました。ついこの間までは無愛想な泥土が見えていただけですが、今は可愛らしい葉っぱがすくすくと伸びています。
七月頃、見事な花が咲きます。それぞれの蓮に美しい由緒ある名前がついていますが、それは又改めてお知らせしましょう。

梅雨までの一寸一服のお便りです。

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五月も半ばとなりました。

「風薫る」「風光る」など、爽やかさを感じさせる風が、五月を表す言葉としてよく使われます。
又、「目に青葉、山ほととぎす初鰹」のように、新緑の季節ともいわれます。
さしずめ、五月という月を色で表すなら緑の月、青の月でしょうか。
昔から、風や雲、雨などにも、いろいろな色をあてて呼ぶことがありますね。
そこで「青風」は五月の風 ―― と思いきや春の風、「黄風」は砂あらし、「朱風」は夏の風だそうです。
では秋の風は「白風」だろうと思いましたら、漢字の用語に「白風」というのはないとのこと、あれっと思いました。
でも日本では「白風」と書いて「あきかぜ」と読んだという例もあるそうで、一寸ほっとしました。

何の為にこんなことを書くのかと思われそうですが、昔の人たちの自然への深い洞察、美しい詩情にふれるたび、心をゆさぶられることがいっぱいあります。
季節と縁遠くなりつつある都会のくらしに慣れてしまわないためにも、常に自然に目と心を向けていたいと思うのです。
それでも私たち京都に住む者は未だ未だ幸せです。東京にいるOBたちは、塾のホームページで自然の様子を目にすると、きれいな水をもらったようにほっとするといってくれますから。

今、塾では「町かどの藝能」の稽古と秋の公演の為の道具の点検・修理、新しい道具や飾りものの製作(斉藤さんが、すごくたのしいもてなしの飾りものを考えているようです。無口なので、あまり言ってくれませんが)、又、「読みの課題」、更には基本的理論の再確認など、日々いろんなことに取り組んでいます。
「絵本の読み聞かせ」講座も、もっともっと充実した、そして楽しい講座にしたいと考えています。

爽やかな五月、塾には常に前進の為の風が吹いています。

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いよいよゴールデンウィークです。

いよいよゴールデンウィークです。
日本列島は国民大移動で右往左往 ―― 。
数かずのドラマがうまれることでしょう。
京都も亦、世界の国々から、日本のあちこちから、沢山のお客さんが来られます。老舗を誇るそれぞれのお店は、おもてなしに趣向をこらしていられるでしょう。

四月、五月といえば春の祭月。
とりわけ京都は古くからの都であるだけに、大小沢山の神社仏閣のお祭でにぎわいます。
中でも五月十五日に行われる京の三大祭の一つである葵祭は今や「日本の祭」として親しまれています。
都大路に平安絵巻がくりひろげられるのも、都として千三百年余の歴史を誇る京都ならではのことです。
先日市民新聞に『近頃の京都人は葵祭の行列を「以前に見ているから」といって見る人が少くなっているが、京都が誇るお祭だから、是非見ていただきたい』と書かれていました。
同一のものを時を重ねて見続けるということは、自分の成長によって見方がちがってきます。心のあり方によってもちがいます。衣裳、道具、細かい飾りつけ等々新しい発見もあるかと思います。
「源氏物語」や「枕草子」その他の文学作品にも葵祭のにぎわいの様子が描かれていて、往時をしのぶことも出来るのではないでしょうか。

小さなお祭では京都の各地域にある氏神様のお祭です。氏子達は年に一度のお祭として大切に守っています。子供たちもお稚児さんやお囃子で参加してお祭をにぎやかにたのしく盛り上げています。
昔は氏神様の境内は子供たちのうれしい遊び場でした。いつも元気な子供たちの声がはじけて湧き上っていました。神様のおそばで、神様におまもりいたゞきながら、安心してのびのびと遊んでいる、ほゝ笑ましい情景でした。
今はというと、子供たちの影も、声もなく、氏子たちの自動車の安息所になっています。

 

いよいよ「絵本の『読み聞かせ』を楽しもう」講座がはじまりました。
皆さん、とても意欲的で勉強熱心です。ものおじせず、しっかり声を出して下さってます。六ヶ月後が楽しみです。

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「絵本の読み聞かせを楽しもう」

桜も散り、いろんな木の新芽が生き生きと天に向かっています。
そんな自然の移り変わりを横目に見ながら塾生たちは今、いろんな絵本に向きあっています。
四月の第四週から始まる「絵本の読み聞かせを楽しもう」講座の為の絵本を選ぶためです。
自分のやりたいと思うものをまず選び、稽古をし、最終的に決定されたものが教材となります。
受講される方は毎回新しい方々ですので、別に前回と同じ絵本でもいいのですが、俳優としてはやはりいろんな絵本を自分のレパートリーにしたいのです。
一度受講された方の中で再度の受講を希望される方も多いのですが、何分受講希望の方が多くて、一度も取れてない方が優先的に選ばれるのです。
「何回申込んでもダメなんです」と、残念がって下さると申訳なくて、もっと機会をふやせればと思うのですが、なかなかそういうわけに行きません。
とに角、お一人お一人全員に、一つの絵本を最後までやれるようになっていただこうと思うと、どうしても人数に制約が出て来ます。
それでもうちの場合は受講される方々を二組に分けて、出来る限り充実した講座になるよう努力しています。沢山の方に来ていただいても中身が薄ければ、それはかえって不誠実になります。全てにいいようにと思っても、なかなか事情がゆるさないのが現状です。

間もなく取りあげる絵本も決まります。受講して下さる方全員に、出来る限り充実した時間をすごしていただけるよう、塾生一同真剣にがんばっています。
大学の授業も始まって居りますし(二つの大学へ非常勤講師で三人、出向いて居ります)、負担も大きいと思いますが、やるべき事の多いのは本当に有難いことです。

清々しい新緑の候も間もなくです。
爽やかな季節を存分におたのしみ下さい。

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桜が咲きました。

般若林の桜が咲きました。

中庭の若い桜も、奥庭の古木の桜も今が見頃、満開です。雨に散らねばいいがと思っています。
でも、「散ってこそ花」―― 。どなたがいわれたのか、日本人の美意識を見事にあらわす言葉ですね。

さて三月二十九日の祝賀会での「町かどの藝能」、とても喜んでいただきました。終わったあと、「うちでもやっていただけませんか」と、二・三、お話が来ているようで、俳優たちも喜んでいます。
又、佛教大学四条センターで、四月から半歳の間、「絵本の読み聞かせを楽しもう」の講座がはじまります。このセンターの受講生の皆さんはとてもレベルが高く、熱心な方が多いので、私たちも毎回、いい勉強をさせていただいています。
更に、来年度には「京ことば」の講座も新しくはじめる予定です。
「忙しいうちが花」―― そう思ってみんながんばっています。
そうそ、玄関先の雪柳も、今、満開です。

四季にあふれる般若林は本当に恵まれたところ、感謝の他、ありません。

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ありがとうございました。

おだやかな陽差しに恵まれ乍ら、無事、春の小さな劇場「春一番今昔亭狂想曲」の公演をおえさせていただきました。
有難うございます。

いつも乍ら、温かい声援を下さるファンの方々に感謝、感謝です。

東京から駆けつけてくれた先輩、岡田千代さん、吉田幸矢さんたちの力も借りて、なんとか終演に至りました。

いつもの事ですが、「もう一週間あったら」というのが、皆の本音だと思います。同じ事をくり返す「愚」を、いい加減に解消しないと、応援して下さっている皆さまに本当に申訳ないと思います。「思う存分やれました」といえる公演を一度でも持ちたい――これが俳優たちの目指すところでしょうが、まわりのどこを見ても、なかなかそういえる人たちは少ないようです。ある意味、永遠の課題かも知れません。但し、これは俳優以外の人間だからいえることで、俳優たるもの、それに甘えてはいられません。

おさだ塾では、公演の翌日から「町かどの藝能」の稽古に入ります。二十九日に仕事を控えているからです。
公演のあと、「打ち上げ」をされるのが演劇界の慣習のようですが、おさだ塾では一切そんなことは致しません。演劇人なら今日も明日も同じ――「終わった」という時はないと、教えられて来ましたから。
こんなところが「ガンコ」で「馬鹿正直」なのかも知れませんね。

間もなく般若林では桜の花が、春の盛りを知らせてくれます。
古木ですががんばって、毎年美しい花を咲かせています。
よろしければ「お花見」におこしになっては如何でしょう。

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たぬき

今、おさだ塾には二匹の狸がいます。
とはいっても、勿論生きた狸ではありません。信楽焼の可愛いい狸です。

一匹は、
長田先生の三回忌記念の公演で、故・川谷拓三さんが演じてくれた一人芝居「狸と侍」に出演した狸です。
ラストシーンで、幕の蔭からチラッとのぞく狸がほしくて、信楽焼の狸を入手する手配を長田先生の大ファンでいらした「たねやさん」の社長様にお願いしました。
間もなく、素朴な可愛いい狸の焼物が塾に届きました。そしてその狸を「寄贈させてほしい」といって下さったのです。
安易に、いらぬことをお願いした為と後悔いたしましたが、後の祭りです。有難く、有難く、頂戴することにいたしました。
その狸は無事出演をおえたのち、今日までずっとおさだ塾の玄関でお客様を出迎えてくれています。

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もう一匹は、
昨年、甲賀市長様から贈られた狸です。
甲賀市市制十周年のお祝いに「町かどの藝能」を公演いたしましたところ、大そう喜んで下さり、臘梅の苗木と共に贈られて来たのです。
右肩にふくろうを止まらせ、左手に「町かどの藝能おさだ塾」という名札を持った、一寸モダンな愛くるしい狸君です。今は先輩の狸君と一緒に、おさだ塾の玄関を守ってくれています。

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それぞれに、想いのこもった大切な狸君たちです。
それにしてもおさだ塾は本当に、沢山の方々の温かいお心に見守られているんだなということを、いつも感謝と共に思います。
そんな沢山の方々にお応えする為にも、いい公演を持つことが、私達のやるべきことです。
今一度、全員心を新たにして、春の公演に向かいます。

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