ご挨拶

おさだ塾 代表 河田 洋志

「おさだ塾(演劇塾長田学舎)」は2021年に創立70周年を迎えます。

「劇団麥の会」として1951年(昭和26年)、京都に生まれました。創立者は劇作・演出家の長田純(1917年~1985年)です。以来「誰もが無条件でたのしく、清潔な感動を通して、その余韻の中から静かに考える事をさせてくれる演劇」を、ただひたすら求め続けて参りました。

劇団の創成期は、民放の放送局が生まれた時期と重なります。「劇団麥の会」が創作し、演出・出演したラジオドラマが、KBS京都で数多く放送されました。その後、日本の経済が高度成長へと大きく舵を切って行った昭和40年代には、年1回のペースで劇場公演をしました。昭和50年には観客完全参加の野外劇「町かどの藝能」を初めて上演しました。この「町かどの藝能」は、我が劇団の当たり狂言となり、今年で46回目を迎えます。昭和61年には、現代演劇(「小さな劇場」)の公演をスタートさせ、年1回のペースで現在に続いています。

演劇は生身の人間が心と身体を使って生み出します。「ほんもの」は、私共の中になくてはならないものです。長田先生をはじめ、創立時より劇団を支えてこられた碧川萌子、粟津職両先生、諸先輩方の指導を仰ぎながら、私を含めた劇団員たちは、いかに「ほんもの」をお客様にお届け出来るかを指針とし、様々な活動、挑戦をして参りました。

私がおさだ塾に入ったのは18歳の時でした。沢山の未知の物事に触れ、演劇の世界に生きる人達に出会いました。演劇の「え」の字も知らなかった私は、0歳児が新しい物事に触れるが如く日々驚き、心を動かされました。「自分の中にこれ程感動する心があったこと」に感動したのです。それからあっという間の四十数年です。演劇に出会って何が幸せだったかと申しますと、今まで沢山の感動を味わえたことです。

演劇は人間生活の再現です。人の暮らしの中には素敵なドラマが沢山あります。それを形にし、お客様に観ていただくことが、私たちの使命だと思っております。

是非一度、おさだ塾の演劇にお越しください。

お待ちしています。

 

おさだ塾 代表 河田 洋志