『 雪 』


珍しく京都に雪が降りました。
般若林は一面銀世界。他所よりここは降った雪が溶けにくいのです。つもり方も街中とは少しちがいます。車が走るせいでしょう、通りのまん中はきれいに溶けています。道ばたには未だ雪があってぬかるんでいますが、般若林はきれいに雪が残っています。人の歩いたあとだけが、黒く点々と形をのこして。

以前、玄関の屋根から落ちた雪で沈丁花が折れて枯れてしまいました。苦労して、一本に赤と白の花が咲き分けてくれるよう、接木して大切に育てていた木でしたのに。それからは決して屋根のそばに物を置かなくなりました。雪の少ない京都ですから、屋根の雪くらいで木が折れるのは不思議と思われる方もおいでかと思いますが、般若林の玄関はとても立派で、大きいのです。昔は禅門専門学校といって、雲水さんに成られる方々の前段階の修行の場だったそうです。それだけに全てがお寺さんのように立派で大きいのです。天井も普通の家よりは高いですし、間取りもゆったりしています。自耕自作が出来る土もあります。あるというより般若林自体が土の上に建っていて、土のある生活がたのしめる素晴らしくぜいたくな場なのです。今どきの街中で、これよりいいところは御所くらいかなと、いつも皆で話しています。
今も窓の外は雪、々々 ―― 。しんしんと降っています。あまり積もって、事故など起きませんように。

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