女人抄


人は誰もみな、運命を背負って生きている――

時は昭和五年。大正から続く明るい軽やかな雰囲気と、恐慌から戦争へとなだれ込む暗い闇が少しずつ影をのぞかせ、漠然とした不安が交錯する時代。女学校時代の親友であった四人の女性を中心に、その交流と心模様が描かれます。

東京世田谷にある古刹の一人娘、満寿子。代々教育者の家庭に育った高嶺。大きな書店の娘に生まれ、小説家を目指すみずき。伯爵家令嬢である美子。

女学校を卒業して社会に出た彼女たちは、それぞれが背負った運命と向き合います。ある者は運命に抗い、ある者は運命に殉じ…。彼女たちは悩み、苦しみながらも、しなやかに逞しく自らの道を歩んでいきます――

 創立五十周年という記念の年に、おさだ塾が満を持してお贈りしました、優しく美しい女性賛歌の物語です。

 「女人抄」は2001年春、おさだ塾創立五十周年記念公演として京都府立文化芸術会館で上演されました。公演の名場面をお楽しみください。

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