『 賑やかな近頃 』

ドタ、ドタ、ドタ、ドタ ―― 。
二階の稽古場からびっくりするような音が聞こえて来ます。春の舞台「野々井家の場合」の稽古の為です。
昔からというか、多くの俳優さんの場合、稽古の時はそれほど「力」を出さず、七・八分くらいでやっておいて、本番の時に百%力を出すんだという人がかなりありました。かなりというより、常識のように、そのようにして来た人が多かったのです。
でもおさだ塾では、「稽古は本番の為にするのだから、常に本番と同じように全力でやるのが当り前」という考えでずっとやって来ました。
塾を創って下さった長田純先生以来の教えです。
皆、「愚直」といっていいほど、先生の教えを守ってやって来ました。とはいえ、いつも全力でやるのですから当然疲れはたまります。でも好きでやっている仕事ですから、皆、ちっとも苦にせず今も楽しそうにドタドタとやっています。古い天井が一寸心配になりますが ―― 。

今日は曇り空。「春めく」というには一寸暗い空ですが、大地の気温は確かに変って来ています。〽どこかで春が、生まれてる ―― そんな歌も聞こえて来そうです。
これからの一月(ひとつき)あまり、二階のドタドタも続くでしょうが、要領よく手を抜ける器用な人より、鈍くさいうちの俳優さんたちの方が可愛いと思うのは「身びいき」かも知れませんね。
おさだ塾のちょっと賑やかな近頃です。

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『 春の「小さな劇場」』

ホームページ、怠けている間に二月も中旬になってしまいました。遅まき乍ら、おさだ塾の近況をおしらせいたします。つい一昨日(二月十一日)、恒例の草藁生活行を無事に執り行いました。例年通り、上賀茂神社から奥貴船の「ひろ文」さんまで約十キロの行程をわらじばきで歩くというものです。この何十年かの間、一度も天候不順や不測の事態で中止せざるを得ないという事態にもならず、無事に実施してこれたことに、今更乍ら深い感慨と感謝の念を覚えます。天にも地にも、又、支えて来て下さった多くの方々にも、心からの感謝を捧げます。

草藁生活行のあとは、塾に帰って来てすぐ、春の公演の為の稽古です。いっぱい体を動かして、美味しいお食事をいただいて、いろんな方の笑顔にお会いして、塾生皆にとって本当に有難い、幸せな一日でした。

今年の春の舞台は梶田明子の書いた「野々山家の場合」という脚本です。いろんな意味でこれまでとは一味も二味もちがう舞台になると思います。おさだ塾には他にも書ける人が居てくれるので、来年は又、違った人の作品を演れるだろうと楽しみに思っています。

般若林の庭も少しずつ目を覚まして来ています。あらためてゆっくり見て廻りたいと思っています。
自然に囲まれて日々を過ごせるおさだ塾の者は本当に幸せです。自然に励まされ、自然に癒されて、明日への意欲をたくわえることが出来るのですから。
心も新たに、春の公演に向かいます。年々、なつかしいお顔のお客様にお会い出来ることはこの上ない喜びです。更にこれからは、新たなお客様にも大挙してお越しいただけるよう、一層精進いたします。どうぞ一人でも多くのお方様のお運び下さることを、心よりお待ち致して居ります。
公演日時は、三月 三十日(金)午後七時
三十一日(土)午後二時・六時半
四月  一日(日)午後二時
開演です。
是非是非一人でも多くの方々とお誘い合わせの上、お越し下さいますように ―― 。
あふれる熱い心でお待ち致して居ります。

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