『 境内にて 』

相国寺様の池に 蓮の花が咲きました。久しぶりに訪れたので、とてもうれしく、なつかしく、季節の推移が変わりなく動いているのを感じました。
白い花ばかりでしたが、蕾の先にほんのり紅ののぞく蓮がいくつかありましたから、このページを御らんいただくころにはきっと紅の蓮も咲いてくれているでしょう。

塔頭の植えこみのそばでしゃがみこんでいる少女をみかけました。高校生でしょうか、制服のような清楚な姿です。何をしているのかと思って声をかけますと「ウラジオストックというところでされるんですけど、舞台に落ち葉を撒きたいというので、それを集めています」―― 。悪い事を見つかったかのようにおずおずと、伏目がちに答えてくれました。
友人か 先輩か 先生か、兎に角誰かが 舞台でやる仕事の手伝いをしてあげているのでしょう。塔頭の側はけっこう掃除が行き届いているので、それほど落葉は多くありません。それを丹念に、ぽつぽつとひろい集めているいじらしい姿に心惹かれました。
「うちに来ればひょっとすると掃き集めた落葉が沢山あるかも知れない」と思いつき、戻った時にはもう少女の姿はありませんでした。
ひょっとして妖精?― と思わされるような不思議な出会いでした。

相国寺様の境内は、やはり魅力的なところです。

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『町かどの藝能その42の準備がはじまります』

夜来の雨が上った般若林の庭は、洗われたように清々しくさわやかになります。太陽の光を受けた草木は、生きかえったように輝いています。あちこちに植えられている紫陽花の蕾が大分大きくなって来ました。近畿地方の梅雨入りは六月五日頃だそうで、その頃には雨にぬれた花が色あざやかに咲いてくれている事でしょう。

さて、おさだ塾は六月に入ると、秋の『町かどの藝能』の公演準備に入ります。その一つに一般参加の募集があります。一般の方々に応募していただき、おさだ塾の俳優と一緒に稽古に参加していただいて、江戸時代(享保十年)の京の都の芸商人(芸をもって商いをした商人)として出演していただくものです。
締め切りは六月三十日。高校生から三十五才までの健康な男女若干名です。
七月から稽古に入ります。指導料はいただきません。くわしくはおさだ塾へお問い合わせ下さい。電話075(211)0138
今までに参加された方々の言葉は「これまでの人生の中で、これに勝るものはないだろう」「今日まで生きてきた中で最高のものをいただいた」「これほど中身の濃い生活を送ったのははじめて」等々 ―― 。
参加される方々に、稽古をしてもらう中で、一人で着物が着られるようになる。京ことばが話せるようになる。江戸時代を識ることが出来る。日本人として、日本家屋での立ち居振舞い礼儀作法が出来るようになる ―― 。等々が身につきます。
如何でしょう、一度参加されませんか。
「京ことば講座」もあと一週間 ―― 。京ことばのドラマに、相変わらず皆苦労しています。京ことばのやさしさやわらかさ、美しさはほんとうに難しいです ―― 。

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