月別アーカイブ: 2015年3月

まもなく、春です。

春爛漫というには未だ少し早いが、木々の梢は緑に燃え立ち、桜たちはいつ開こうかとその時を待っている。
こうした自然界の春と共に、人間界の若者たちも、いよいよ社会人としての第一歩をふみ出そうとしている。胸いっぱいの希望をもって。
又、企業の方でも、若い新しい戦力の参加に大きな期待を寄せている。
希望と期待。実にいい関係である。
ところがそれが、ものの二・三ヶ月も経つと、「面接の時は明るくてハキハキしていたのに、いざ仕事がはじまると全く能動性がない。返事は悪いし、いわれた事しかしない。同じ失敗をくり返すし、一寸注意をすると黙りこむ。本当に扱いにくい」―― 。
「仕事が片づいてないのに早く帰れといわれる。それでいてきちんと仕事しろという。ろくすっぽ教えもしないで文句ばっかり。それもネチネチ、クドクド。いやになる」―― 。
こんな不協和音があちこちから聞こえてくる。
しかし、「会社に入ったら怠けてやろう。サボってやろう」そう思って入って来る新入社員はまずいない。
「新入社員が来たらいじめてやろう。つぶしてやろう」という上司もいないだろう。にもかかわらず、こんな軋轢が生じてくるのはどうしてだろう。
新人が仕事を能率よく処理出来ないのは慣れてないから。未熟だからである。自分では一生懸命やっているのだが、なかなか認めてもらえず、それどころか叱られてばかり。萎縮して動けなくなり、自信もなくなる。いきおい無口になるのも当然だろう。
又、本来、上司の注意というのは新人を育てる為の親心から出てくるものである。なんとか早く成長してほしい、戦力になってほしいと願う心が強ければ強いほど、注意する事もふえてくる。しつこくいうのは新人の態度が、解ったのか解らないのか、判らないからである。
お互いがほんの少しずつ、相手の立場を思いやれば、すぐわかることばかりなのだ。
この世の中、新入社員と上司に限らず、お互いが相手の立場をほんの少しでも思いやれば、トラブルはうんと少なくなるはずだ。
同じ人生、自分で選んだ仕事・道なら(例え理想通りではなかったとしても、最終的に選んだのは自分だから)、気持よく働き、誰とでも仲良く過ごす方が楽しいし、人生の意義もみつけられるのではないだろうか。

カテゴリー: おさだ新聞 | コメントする

ありがとうございました。

おだやかな陽差しに恵まれ乍ら、無事、春の小さな劇場「春一番今昔亭狂想曲」の公演をおえさせていただきました。
有難うございます。

いつも乍ら、温かい声援を下さるファンの方々に感謝、感謝です。

東京から駆けつけてくれた先輩、岡田千代さん、吉田幸矢さんたちの力も借りて、なんとか終演に至りました。

いつもの事ですが、「もう一週間あったら」というのが、皆の本音だと思います。同じ事をくり返す「愚」を、いい加減に解消しないと、応援して下さっている皆さまに本当に申訳ないと思います。「思う存分やれました」といえる公演を一度でも持ちたい――これが俳優たちの目指すところでしょうが、まわりのどこを見ても、なかなかそういえる人たちは少ないようです。ある意味、永遠の課題かも知れません。但し、これは俳優以外の人間だからいえることで、俳優たるもの、それに甘えてはいられません。

おさだ塾では、公演の翌日から「町かどの藝能」の稽古に入ります。二十九日に仕事を控えているからです。
公演のあと、「打ち上げ」をされるのが演劇界の慣習のようですが、おさだ塾では一切そんなことは致しません。演劇人なら今日も明日も同じ――「終わった」という時はないと、教えられて来ましたから。
こんなところが「ガンコ」で「馬鹿正直」なのかも知れませんね。

間もなく般若林では桜の花が、春の盛りを知らせてくれます。
古木ですががんばって、毎年美しい花を咲かせています。
よろしければ「お花見」におこしになっては如何でしょう。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

たぬき

今、おさだ塾には二匹の狸がいます。
とはいっても、勿論生きた狸ではありません。信楽焼の可愛いい狸です。

一匹は、
長田先生の三回忌記念の公演で、故・川谷拓三さんが演じてくれた一人芝居「狸と侍」に出演した狸です。
ラストシーンで、幕の蔭からチラッとのぞく狸がほしくて、信楽焼の狸を入手する手配を長田先生の大ファンでいらした「たねやさん」の社長様にお願いしました。
間もなく、素朴な可愛いい狸の焼物が塾に届きました。そしてその狸を「寄贈させてほしい」といって下さったのです。
安易に、いらぬことをお願いした為と後悔いたしましたが、後の祭りです。有難く、有難く、頂戴することにいたしました。
その狸は無事出演をおえたのち、今日までずっとおさだ塾の玄関でお客様を出迎えてくれています。

019

もう一匹は、
昨年、甲賀市長様から贈られた狸です。
甲賀市市制十周年のお祝いに「町かどの藝能」を公演いたしましたところ、大そう喜んで下さり、臘梅の苗木と共に贈られて来たのです。
右肩にふくろうを止まらせ、左手に「町かどの藝能おさだ塾」という名札を持った、一寸モダンな愛くるしい狸君です。今は先輩の狸君と一緒に、おさだ塾の玄関を守ってくれています。

014

それぞれに、想いのこもった大切な狸君たちです。
それにしてもおさだ塾は本当に、沢山の方々の温かいお心に見守られているんだなということを、いつも感謝と共に思います。
そんな沢山の方々にお応えする為にも、いい公演を持つことが、私達のやるべきことです。
今一度、全員心を新たにして、春の公演に向かいます。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

とうとう。。。。

とうとう三月になってしまいました。

とうとうといいたいくらい遅い稽古の上りに、演出陣も指導陣も青くなっています。

のほほんとしているのは俳優だけ。いつもの事ですが、ほんとうにうちの俳優さんはのんびりしています。人間はいいのですが、厳しさの持てないのは困ったものです。「温室だから」とうちを知る皆さんにいわれますが、本当にそうなんでしょうね。

そんな中、季節は刻々とすすんでいます。ついこの間まで枯れほうきのようだった桜の木に芽生いた新芽がいっせいに、しっかりと太陽に向かっています。

庭の椿も紅いの、白いの、淡色に斑に、又、一本の木にいろんな色の椿が咲き誇っています。

昨年、甲賀市様からいただいた臘梅の苗木も、少し背が高くなって来ました。ちゃんと根づいてくれるか、とても心配していただけに、嬉しさも一入です。

間もなく般若林に鶯の声が聞こえて来るでしょう。

カテゴリー: 未分類 | コメントする