「小さな劇場」をおえて 』

おさだ塾の春の小さな劇場公演 その三十「愛」――。
初日三月三十一日はあいにくの雨もよいでしたが、それを押しての御来場をたまわり、心より感謝致して居ります。幸い四月一日、二日は好天に恵まれ、絶好のお出かけ日よりになりました。でも、暗い劇場の中より明るい日ざしの中へ心が向くのは無理からぬことと、いささか痛し痒しの思いで居りました。
それでもいつものなつかしいお顔も沢山お見かけし、年月のつみ重ねの有難さをあらためてかみしめて居りました。
いろいろ不行届き、御無礼もあったと存じますが、なんとか大過なく三日間をおえることが出来ました。本当に本当に有難うございます。お客様はじめ関わって下さった全ての方々に心より御礼申上げます。

今年出演してくれた三人の子供たちも皆すっかり仲良しになり、きっとこれからもいいお友達でいてくれるだろうと思います。本当にいろんな方々に助けていただいての公演でした。どんな出会いが、その人の人生に、どんな影響を及ぼすか、それは誰にもわからないことですが、何か不思議な深い関わり合いの生じていることを感じさせられて、感慨深いものがありました。
演劇は人と人の心のやりとりから生まれます。そして舞台以上にそれに関わる人々にも深い影響を及ぼします。いい御縁が、一人でも沢山の方々との間に生じ、育ってくれることを心から願って居ります。

般若林の桜も間もなく満開です。公演の時は「もう咲きたい、もう咲きたい」の蕾たちがざわめいていましたが、公演が終わった途端、一斉にほころびはじめました。表庭も裏庭も中庭も、見事に足並みを揃えています。ここ一週間ほどが見頃だと思います。よろしければ是非お花見にいらして下さい。お声かけ下さればコーヒーくらいは御馳走出来ると思います(あまり美味しくありませんけど)。うちのコーヒーは他所の方からするとかなり薄め(軽めではなく)だそうです。でも「いれたて」は召し上がっていただけますので、是非是非お声かけ下さい。

四月二十二日(土)から「絵本の読み聞かせ」講座がはじまります。(於 佛教大学四条センター / 四月二十二日~九月三十日)
心にズキンと来る素敵なお話と、短い単語の羅列のような、単純な(それだけにむづかしい)お話しの二本を用意して居ります。出来る限り受講して下さる方お一人お一人にかけられる時間を多く持ちたいので、いつも二組に分けて、十五人ずつで授業を受けていただけるようにして居ります。そういう事が出来るのもおさだ塾が劇団である強味だと思います。
講座に来て下さる方々も、皆さん知性豊かな方々ばかりで、いつもこちらがいい刺激をいただいています。こういう機会の持てることが本当に有難く、感謝、感謝です。
社会への還元を目指してられる佛教大学四条センターの活動にも心からの敬意を表します。
こらからもいい御縁を持ち続けられることを心より願って居ります。
いい御縁をいただけてこその私ども、これらからももっともっと、多くの皆さまといい御縁をいただけますことを ―― 。

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『 忙中の閑 』

お彼岸も過ぎたというのに未だ肌寒い日が ―― と思っていましたら、急に温かい日がやって来たり、いったいどうなっているのといいたい気温の変りようです。でも植物たちは確実に春を迎えています。椿の花も二輪咲きました。かつて月心寺さまの庵主さまからいただいた名椿です。紅と白の斑入りの大輪の花で、鉢に植えた方の小さな木などは花の重さが可哀想に思えるほど、沢山の花をつけます。一日一日、どんどん開花がすすむのが楽しみです。

相国寺様の境内を歩いていると「カォ、カォ」と鳴いて、一羽の鷺がお池に舞い降りました。「あれ、前より一寸いい声になったのかな」と思い乍ら池の中を見ておどろきました。鷺の数が増えているのです。一羽、二羽、三羽、四羽、五羽もいました。以前「凄い悪声」と思っていたのは、今帰って来たのとは別の鷺だったのでしょう。
それにしても鳥たちはどうしてこんなに上手にいい棲家をみつけるのでしょう。よその川や池と違って、相国寺様の池は垣根に囲まれていますから、すぐそばに人が近寄ることはまずありません。石を投げたりいたずらをする人を見かけた事もありませんし、いつもおだやかで静かな環境です。雀でさえ、よほど近ずかないと飛び立たないほど、相国寺様に来る小鳥たちはおっとりしています。鷺たちもきっと、「ここは最高」と思っているのではないでしょうか。立ち止まって見ていると、時折り鷺たちもこちらを見ます。(気のせいかも知れませんが ― 。)おしどりの番も二組いて、のんびり泳いでいます。見ているとこちらの心まで、静かに、あたたかくなります。こんな時間が持てる時はそう多くありませんが、今日はとてもいい時間を過ごせました。

さて、稽古の方ですが、なかなかすすまないのはいつも通り ―― とは、本当に情けないことですし、申訳ないことです。直前にならないとエンジンのかからないのんびりやの俳優ばかりで、いらいらしているのはスタッフだけ ―― 。果たして無事初日の幕が開けられるのかと思わされます。でも、少しずつではあっても、進歩して来ている俳優さんもいます。悪い面ばかり見ずにいい面をもっともっと見つけてあげなきゃならないのかも知れませんね。
只、もう一つ心配なのがインフルエンザです。出演してくれる児童の一人が発症しました。今は只、他の誰にも広がらないことを祈るばかりです。
これからいよいよ稽古も追い込みに入る今、全員もう一度心を引き締めて公演当日に向かいましょう。

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