月別アーカイブ: 2015年5月

NHKの朝のドラマ

四月からはじまったNHKの朝のドラマに、輪島塗りのことが取り上げられている。
かつて、ある輪島塗りの職人さんに、テレビのアナウンサーが質問していた。
「とても質素な生活をなさっているようですが、せいたくをしたいと思われたことはありませんか」―― 。
アナウンサーの不思議そうな質問に、その職人さんはボソッと答えられた。
「ぜいたくいわれても、したことがないから、わからん―― 。
何の気負いもてらいもなく、一言そういうと、又、黙々と仕事を続けてられた。
その時の、胸に刃を突き刺されたような痛みは今も忘れられない。
永六輔さんなどもよくおっしゃっているが、本当に、もっともっと「職人といわれる方々を大切にしてほしいと思う。

又、少し前の「マッサン」では、ウイスキー造りが取り上げられていた。
これも何かのドキュメンタリー番組で見たのだが、ウイスキー造りの職人さんが沢山並んだ原酒の樽を愛しそうに撫でながら、
「今、仕込んだこの原酒が、何十年後にどのように育っているのか、成長した姿を私たちが見ることは出来ません。
けれど、先人たちが素晴らしい原酒を残してくれたからこそ、今の私たちが美味しいウイスキーづくりに挑戦することが出来るのです―― 。
自分たちのこの原酒も、いつかそんな喜ばれるウイスキーになってくれるであろうことに、限りない夢と希望を感じてられるその言葉は、こよなく美しかった。
少しでも早く、少しでも便利なものを追い求める今の世の中にも、それではどうしてもつくれないもの、生み出せないものがあることを、改めて考えさせられる。

我々の追い求めるものも又、早く便利にではどうすることも出来ないものである。少々苦しくとも辛くとも(あまりそうは思わないのだが)、好きな道を誇りをもって歩める者は、やはり幸せ者といえるだろう。

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「緑」ラッシュ。

楓のみどり、あじさいのみどり、かしの新芽、いちょうのみどり、それについこの間まで、何もなかった宮城野の萩が、今はふさふさとみどりの若葉を風になびかせています。皐月の花のあとのみどり葉、さくらの青葉、数え切れないみどりにあふれています。
相国寺様の境内もみどりがいっぱい、雨の前などは息もつまりそうな強烈な匂いに思わず梢を見上げてしまいます。いつも見ているみどりが、それぞれに、強い個性を放って、「同じみどりは無い」という言葉をあらためて思い返しました。
あじさいは間もなく花を開くでしょう。

又、相国寺様の池の端に、大きな蓮の鉢が並ぶようになりました。ついこの間までは無愛想な泥土が見えていただけですが、今は可愛らしい葉っぱがすくすくと伸びています。
七月頃、見事な花が咲きます。それぞれの蓮に美しい由緒ある名前がついていますが、それは又改めてお知らせしましょう。

梅雨までの一寸一服のお便りです。

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五月も半ばとなりました。

「風薫る」「風光る」など、爽やかさを感じさせる風が、五月を表す言葉としてよく使われます。
又、「目に青葉、山ほととぎす初鰹」のように、新緑の季節ともいわれます。
さしずめ、五月という月を色で表すなら緑の月、青の月でしょうか。
昔から、風や雲、雨などにも、いろいろな色をあてて呼ぶことがありますね。
そこで「青風」は五月の風 ―― と思いきや春の風、「黄風」は砂あらし、「朱風」は夏の風だそうです。
では秋の風は「白風」だろうと思いましたら、漢字の用語に「白風」というのはないとのこと、あれっと思いました。
でも日本では「白風」と書いて「あきかぜ」と読んだという例もあるそうで、一寸ほっとしました。

何の為にこんなことを書くのかと思われそうですが、昔の人たちの自然への深い洞察、美しい詩情にふれるたび、心をゆさぶられることがいっぱいあります。
季節と縁遠くなりつつある都会のくらしに慣れてしまわないためにも、常に自然に目と心を向けていたいと思うのです。
それでも私たち京都に住む者は未だ未だ幸せです。東京にいるOBたちは、塾のホームページで自然の様子を目にすると、きれいな水をもらったようにほっとするといってくれますから。

今、塾では「町かどの藝能」の稽古と秋の公演の為の道具の点検・修理、新しい道具や飾りものの製作(斉藤さんが、すごくたのしいもてなしの飾りものを考えているようです。無口なので、あまり言ってくれませんが)、又、「読みの課題」、更には基本的理論の再確認など、日々いろんなことに取り組んでいます。
「絵本の読み聞かせ」講座も、もっともっと充実した、そして楽しい講座にしたいと考えています。

爽やかな五月、塾には常に前進の為の風が吹いています。

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